web 拍手お礼/戦国無双2
!注意! 戦国無双とか言っていますが、あまり無双っぽくありません。
前回のあらすじ:武器・防具の店でみつなりが潰れかかっていたのを、皆で助けに行った。
パーティは 新しい装備を 手に入れた!
左近「…あの、」
三成「何ださこんぬ」
左近「店のど真ん中で着替えていては、他のお客さんの迷惑になりませんか?」
兼続「何を言う。みんなそうやって着替えていたぞ」
三成「そうだぞ、さこんぬも服を早く脱げ。店のオヤジに売り飛ばすから」
左近「その言い方何かアレですね…」
三成「それで、ゆきむらの服はこの俺が直々に脱がしてやろう」
幸村「大丈夫ですよ、自分で出来ますから」
兼続「みつなり、堂々とセクハラするのは止めろ」
左近「相手が気付いてないのが唯一の救いですかね…」
なんだかんだで 全員が 着替え終わりました。
三成「さあ!これで町の外に出れるな!」
??「ちょっと待て!」
三成「何なんだよさこんぬ。空気読めよ、もう」
左近「何も考えずに濡れ衣着せないで下さい。左近ではないですよ、今の」
兼続「ならば誰が?」
幸村「…あの、みなさん…」
三成「ゆきむらか、さっきのは。どうしたんだ?」
幸村「いえ、私が止めたのではなくてですね、こちらの方が…」
兼続「ん?この店の主人ではないか」
店主「お前ら金を払ってから装備着ろよ!」
三成「払っただろう、ちゃんと」
店主「足りないんだよ、あと10000両!」
兼続「みつなり、お前一体何をしたのだ…?」
三成「この店が持っている最高の装備を一揃い出せと言ったが?」
左近「『言ったが?』じゃないですよ!冒険始めたばっかの貧乏パーティにそんな大金出せませんよ?!」
幸村「今すぐコレ返しましょうよ!」
三成「そ、そうだな…おい、コレは返品だ、無かった事にしろ」
店主「何言ってんだ、この店は返品不可だよちゃんと払え!」
兼続「参ったな。購入物品の返品不可など今時のサービス業にあるまじき経営方針だぞ」
左近「困るところはそこですか?」
三成「月賦払いにならないか?月1000両の10回払いで」
店主「ゲップだかしゃっくりだか知らないが、払ってくれるんだな?」
三成「俺は曲がった事と狸が嫌いだ。必ず支払いに応じよう」
店主「それならいい。必ず払えよ!」
兼続「(利子の存在をこの店主は知らないようだな…)」
左近「出発にあたって借金するパーティって、前代未聞ですよ…」
パーティは はじめの町から 外に 出た!
三成「ようやく町の外に出られたな」
幸村「ええ。でも結局他の道具屋にも借金をしてしまいましたね…」
兼続「ははは。完済を目的にした旅というのも、斬新で良いのでは?」
左近「かねつぐさん、アンタ何か吹っ切れましたね…目が全く笑ってないですよ」
兼続「借金などという不義、今までの人生で全くなかったのだ。私の人生、最大の汚点だ」
三成「何を弱気な。一度汚れれば、そのまま転落していくのだ。今更借金など怖くは無い!」
兼続「あ、取り立て屋!」
三成「ごめんなさいスイマセン払う気ならあるんです!!」
左近「…滅茶苦茶怖がってんじゃないですか」
三成「あれ、いないではないか!…騙したな!!」
兼続「本当に怖くないのかと思ってな。騙したとは人聞きの悪い、試したと言え」
幸村「まぁ、地道にお金を貯めて返して行きましょう。それが王道ですよ」
三成「流石だ、幸村…!」
兼続「そうだな。残り借金は10万とんで476両。返せない事もないだろう」
左近「………。」
幸村「………。」
三成「………。」
兼続「………何故、皆して黙ったのだ」
左近「あんまり直視したくない現実に、向き合ってしまったから、ですかね」
幸村「10万両のために戦わなくてはいけないのか、と思ってしまったから、ですかね」
三成「何か皆が黙りこくってしまったので、言葉を発するのを躊躇ってしまったからだ」
兼続「というと、何か案があるのか?」
三成「一攫千金を狙ってみるのはどうだ、と思ったのだが」
左近「賭博の類ですかい」
兼続「借金が膨らんで終わりそうな気もするが…勝算はあるのか?」
三成「誰がギャンブルに手を出すと言った。
折角のRPGなのだから、さくっと魔王でも倒せばいいだろう」
左近「それが一番のギャンブルでしょう!」
兼続「それならいっそルーレットで一山当てると言われた方が良かった…!」
三成「お前ら分かってないな。魔王を倒すにはレベルを上げねばならない。レベルを上げるには経験値を稼がなければならない。経験値を稼ぐには敵を倒さなければならない。そして敵を倒せば――」
兼続「そうか、魔王を倒すという目的を目指していけば、気が付いたら金も貯まるという寸法か」
三成「そうだ。これぞ大一大万大吉作戦!」
大一(魔王を倒すために) 大万(沢山の敵を倒して) 大吉(お金を貯めちゃおう!) 作戦
幸村「あぁ、これでようやくRPGぽくなってきましたね」
左近「最終目標が借金完済でなければ、ね…」
三成「よしまずはこの辺りの敵を倒して経験値を稼ぐか!」
幸村「はい!――そういえば、どのような敵が出るのでしょうか」
兼続「そうだな…この辺りには農作物を荒らす猪や兎が多くて、農家の皆さんが困っているらしいぞ。報酬は新鮮なお野菜だ」
左近「……。ええと、現金収入は無いんですか?」
兼続「野生の猪が小判を持っているとは思い難いな…まぁ、野菜を換金すれば良いさ」
こうして、彼らの旅が始まった。
現在のパーティの所持金:マイナス100476両