Web拍手ログ5/戦国無双2

 

今回は無双祭りでお送り致します。(BASARAは一回休み)

 

左近「殿、何をしているんですか」

 

三成「左近か。良いところに来た」

 

左近「(うわー超イヤな予感)何でしょうか」

 

三成「これを着けろ」

 

左近「…何ですか、コレ」

 

三成「見て分からぬか。どう見てもトナカイの角と鼻だろうが」

 

左近「どう見ても木の枝と赤いお手玉にしか見えませんが」(でも着ける)

 

三成「絵で見た物を再現したのだが、どうも上手く行かんな…」

 

左近「…そういえば、殿の装束、いつもより赤いですね。風邪でも召されましたかな、頭の」

 

三成「貴様、俺を馬鹿にしているだろう」

 

左近「まさか。でもその装束は一体…?」

 

三成「これか、この装束は、西の最果てに住まうさる仙人を模したものでな…」

 

左近「はぁ…(胡散くせー)」

 

三成「大晦日迫るこの季節、夜な夜な子供たちの家を回ってはこっそりと置き土産をして去っていくのだそうだ」

 

左近「どこの不法侵入者ですか、それ」

 

三成「其の名も三田苦労酢」

 

左近「新手の健康飲料みたいですな」

 

三成「トナカイなる動物に橇を引かせ、子供たちの為に老身に鞭打って重労働をこなし、かつ報酬を要求しないとは、見事と思わないか?」

 

左近「……要は、その三田苦労酢をしてみたいのですな?」

 

三成「良く分かったな」

 

左近「…そしてその橇を引くトナカイは…もしや左近?」

 

三成「良く分かっているではないか」

 

左近「謹んで辞退させて頂きたいのですが。心から」

 

三成「断るのも貴様の自由だと寛大な俺は許すが、もし断った場合には二万石を大幅カットして二両にするぞ」

 

左近「是非ともこの左近めに、トナカイの大役をお任せ下さい」

 

三成「お前ならばそう言ってくれると信じていたぞ、それでこそ俺の左近」

 

左近「はは…(てゆうかさっきの殿の目はマジだったな…二万石は捨てられん)」

 

 

三成「実は既に橇の支度も終わっていてな」

 

左近「はぁ」

 

三成「あとは貴様が来るのを待つのみだったのだ」

 

左近「それは…(イヤな予感てもしや…)」

 

三成「これから出発だ!」

 

左近「やっぱり?!」

 

三成「行く先は決まっている」

 

左近「(イヤな予感、まだ消えてねぇ…)」

 

三成「上田と越後だ」

 

左近「この雪の中、更なる豪雪地帯へ?!」

 

三成「愚図愚図していては、夜が明けてしまう。急ぐぞ」

 

 

 

左近「…俺、新年迎えられるかな……」

 

 

 

取り敢えず、近江からだと上田の方が近いので、上田に向かう事になりました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Web拍手ログ6/戦国無双2

 

前回のあらすじ:三田苦労酢にあこがれる三成のせいで、左近は死の雪中行軍を敢行させられることに…

どうなる左近?!

 

三成「どうにか夜の間に着いたな、上田城」

 

左近「……てゆーか、どうにか着けた左近を褒めて下さいよ…」

 

三成「鹿働き、ご苦労」

 

左近「鹿?!」

 

三成「さてこんな所で愚図愚図していても仕方ない。幸村の寝所へ急ぐぞ」

 

左近「しかし上田城は優秀な忍びが常に警護する難攻不落の城と聞きますが?

どうやって不審者丸出しの我らが入れるとお考えで?」

 

(三成は全身赤装束、左近の頭には木の枝が生えている)

 

三成「それならば抜かりない。真田忍隊の長には既に話をつけてある」

 

左近「いつの間に…」

 

三成「ふ…全ては利、だ」

 

左近「買収ですか!」

 

三成「しかも決行日の今日に併せ、幸村の食事に一服盛ってくれるそうだ。ありがたいことだな」

 

左近「(幸村殿…すみません殿のせいで…!)な、ならば(殿が)多少騒いでも起きる事はないでしょうね…」

 

三成「ああ、夜這いも堂々と出来るな」

 

左近「やらないで下さいよ!!」

 

三成「ちっ…、分かっている左近。こっそりと置き土産をして寝顔を写メして帰るだけだ」

 

左近「真っ暗で写メしても無意味だと思いますから、さっさと置くだけ置いて帰りましょうね」

 

三成「何を夢の無い事を…貴様それでも三田苦労酢を運ぶトナカイか!」

 

左近「三田苦労酢は子供たちに対して夜這いなどという不埒は行いませんからなぁ」

 

三成「く…!そうだ俺は今夜は三田苦労酢。夜這いは石田三成の時に行うとしよう」

 

左近「どのみちやったらダメですから!!」

 

 

(幸村の寝所の前まで来た三成と左近)

 

 

三成「こ、こここが、ゆ、幸村の…!」

 

左近「殿、めっちゃ挙動ってますね」

 

三成「幸村の匂いがする……うわ、鼻血出るこれていうか興奮する!」

 

左近「…………。」

 

三成「…いや、鼻血は出てないぞ」

 

左近「いえ、左近は何も申しておりませんが?」

 

三成「そうか。――しかし静かだ」

 

左近「薬が効いているんじゃないですかね」

 

三成「いい仕事をするな、ここの忍びは」

 

左近「………。」

 

三成「さ、さて、幸村に用意したコレを置いて写メして帰るか」

 

左近「写メ、諦めてなかったんですね…で、何を用意したんですか?」

 

三成「エアギターセット」

 

左近「要は空気じゃないですか!用意したとは言えないですよ、それ!」

 

三成「何を言う。この辺に長曾我部元親直筆サインもあるんだぞ。レアだぞ、これは。ファン垂涎」

 

左近「…ていうかそれも嘘でしょう、この辺、とか言ってる時点で」

 

三成「わざわざ四国からあいつを呼んで、ちゃんとマッキー持たせて書かせたのだ。嘘とは言わせん」

 

左近「長曾我部さんに何やらせてるんですか…」

 

三成「ま、これには幸村も喜ぶだろう。…よし、ちゃんと枕元に足袋を置いてあるな。

この中にエアギターセットを入れておくか」

 

左近「足袋に入る時点でもうそれホントにエアーですよ…

幸村殿、一体何のために部下に一服盛られたのか分んないですよ、コレじゃあ…」

 

 

(左近はこっっそりと幸村の足袋の中にお菓子を入れた)

 

 

三成「よし、写メったことだし、次は越後だ」

 

左近「其の前に、殿の懐の中にある幸村殿の私物を元の場所に戻しておきなさい」

 

三成「何故バレた」

 

左近「不自然に懐膨らませて何を白切ってんですか」

 

 

こうして二人は上田を発ち、越後へ向かいました。

 

 

 

 

 

 

 

Web拍手ログ6.5/戦国無双2

 

次回、越後でバラバラ惨殺事件?!

不敵に笑う三成の真意とは?

 

 

 

其の結末に、左近が泣いた――

 

 

 

 

予告内容は変更となる場合がございますので、ご了承下さい。

本当は一時的な予告のつもりでしたが、そのまま放置しておりました。(貧乏性)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

web拍手お礼 戦国無双2(続きの続き)

 

前回のあらすじ:内応者のお陰で上田城に侵入できた三成と左近。

三成が持ち帰ろうとした幸村の私物は左近に没収された。

 

左近「さ、ここが越後ですよ。

春日山ってホント山でしたね。橇を引いて雪の斜面上るのがどんなに重労働か、殿はご存知ですか?」

 

三成「やった事が無いものを、俺にどう知れと言うのだ」

 

左近「うわすっごい腹立つ!自分の上司なのにすっごく腹立つ!」

 

三成「…此度の働きで、左近に特別手当を支給しようと思っていたが、俺の気も変わりやすいものだな…

なぁ、左近」

 

左近「ははは、イヤだな殿。軽い冗句じゃないですか。俺と殿の間柄じゃないですか」

 

三成「分かっている。俺とて鬼ではない。特別手当の件は約束しよう」

 

左近「流石は殿」

 

三成「だが、中身となると保障は難しいな。これからのお前の頑張りに期待するしか…」

 

左近「島左近、今この場において修羅となる!」

 

三成「(…恐ろしいほど扱いやすい男になったものだ)さて、春日山まで来たが、居城となるとあと一息だ」

 

左近「何でしたら左近が負ぶっていって差し上げますよ?」

 

三成「俺は、背負われるなら幸村か兼続と決めている。左近ではならぬ。

お前に背負われるくらいなら、俺は自分の足で歩くぞ…!」

 

左近「普通の事なのに、殿が言うと何故か拍手したくなりますな」

 

三成「俺は、どうも世間の目から見ると当たり前のことが出来ない社会不適格者のように

思われているようだしな」

 

左近「何もそこまで自己嫌悪に陥らなくとも…

さ、どうせ今回も軒猿あたりと話は付いているんでしょう。さくっと用事済ませて近江に帰りましょう」

 

三成「いや、今回は前田慶次に頼んだ」

 

左近「…なんだか嵐が来そうな人選ですね」

 

三成「実は、俺もだが、慶次も兼続の寝ている所を見たことが無いと言うのだ。

寝顔を見たいという慶次の願望と、俺の野望が合致した結果だ」

 

左近「いや、でも寝るでしょう。幾らなんでも」

 

三成「それはそうだが、もしも兼続が睡眠を必要としない生命体ならば、

寝ている間にこっそりと置いて帰る我らの計画が成り立たないのだよ!」

 

左近「アンタら本当に友達ですか。左近はイヤですよ、そんな未知の生命体」

 

三成「と言うわけで、今回は暗視機能もついた高画質でフルハイビジョンなデジカメを用意した。

兼続の寝顔という、人類初の映像が、今回撮れるやもしれん」

 

左近「(俺の話聞いてねー!)まあ、それはともかく、城の中に入りましょうか。

いい加減、凍えてきましたよ」

 

 

(兼続の寝所の前までやって来た三成、左近)

 

 

三成「兼続の寝所…か。

友として長い付き合いだが、こうして改めて意識すると緊張するな」

 

左近「まさかとは思いますが、兼続殿にまで興奮するとか言わないでしょうね?」

 

三成「何を言う。

兼続も俺的にストライクゾーンだ。十分イケる」

 

左近「殿。殿は何処へ行こうとしているのか、左近には全く理解できません。したくも無いです」

 

三成「兼続の魅力はだな、」

 

左近「語らないで下さい!お願いしますから、左近をその道へ引きずり込まないで下さい!」

 

三成「ちっ、それはまた今度の機会にしておいてやる。

さて、今回もまた用意しておいた置き土産を枕元へ置いて、人類史上初の快挙を成し遂げてみせるぞ、俺は」

 

左近「要は寝顔ウォッチングでしょう。崇高な使命ぶっても変らないですよ。

それで、今回はどんなエアーグッズを用意したので?」

 

三成「今回はちゃんとしたソリッドだ。

巷で流行りの美少女アニメがあるのだが…コレだ。魔女っ子キャンディだ。そのフィギュアを持参した」

 

左近「何でこんな黒いポリ袋に入ってるんです?」

 

三成「『魔女っ子ミーツ猟奇殺人鬼』というテーマで俺なりにダメージ加工してみた。

このポリ袋というチョイスがまたそれらしいだろう。自信作だ」

 

左近「ダメージ加工の意味が違う!しかもテーマがエグイ!」

 

三成「ポリ袋の中身は魔女っ子の『パーツ』と血糊だ」

 

左近「其の単語がまた生々しいですな…寒気がします。

ていうか、こんなん枕元に置かれたら何かの呪いか本気の嫌がらせにしか思いませんよ」

 

三成「兼続はアレで冗談の通じる相手だ。無問題だ、と思う。

そうだ、メイキングの様子を撮影したビデオもあるぞ。同封しておこう」

 

左近「普通に真性のスナッフビデオですよ、それ…

ていうか、其の程度の根拠でよくもそんな過激な冗談を実行できますね。何気にバージョンアップしてるし」

 

三成「さてと、いよいよ兼続の寝顔とご対面だ。ヨダレ垂らして寝ている、に一票を投じたい!」

 

 

(ガラッ)

 

 

兼続「やあ、待っていたぞ三成。いつ入ってくるのか気になっていたところだ」

 

三成「…!兼続、寝ていなかったのか…」

 

左近「それよりも、外での会話聞かれてた方に驚きましょうよ」

 

兼続「実は私も、これから慶次の頭に木の枝でも挿して橇を引かせようと支度中だったのだが。

お前に先を越されてしまったな」

 

三成「お前も三田苦労酢を狙っていたのか」

 

左近「(前田さんも大変なところに間借りしちゃって…)」

 

兼続「ああ、だがもう既に三成が実行しているようだからな。今から私が行った所で二番煎じになるだけだ」

 

三成「そうだぞ。特に幸村には既に俺が行って素敵な置き土産をしてきた所だ」

 

兼続「そうか…折角このエアギターセットを用意したのだが、無駄に終わったな」

 

左近「アンタまでそれなのか!」

 

三成「それなら俺が既に譲渡済みだ。しかも長曾我部元親直筆サイン入りだ」

 

左近「あんな勝ち誇った顔の殿、見たことねえ…」

 

兼続「く…!そんなレアな逸品まで用意していたのか…私の完敗だな。(左近「何か通じ合ってるし!」)

ならば三成。お前にはまだ誰からも渡されていないだろう。これをお前に用意した」

 

三成「え!お、俺に、くれるのか…?」(ドキッ)

 

兼続「ああ、私の自信作だ。『美少女キメラの失敗作』というテーマで挑んでみた。

失敗作なので処分された設定だ。このボディバッグ(死体袋)がそれらしいだろう」

 

三成「完成していても失敗作…何と言う、深さか…!」

 

左近「ああ、こいつら完全に友達だよ。ていうか同類だよ」

 

三成「じ、実は俺も…お前に持ってきた。喜んでもらえると、その、良いのだが…」

 

兼続「これは…この感触。もしや、バラバラ?」

 

三成「猟奇殺人鬼に狙われた結果だ。パーツも敢えて足りなくしている」

 

兼続「相変わらずの職人気質だな。ありがとう、三成。大切にする」

 

三成「俺の方こそ…宝として石田家に代々伝えよう」

 

左近「即行で処分されると思いますけどね、おねね様辺りに」

 

兼続「さて、今夜はもう遅いが…まさかこれから近江へ帰るつもりではないだろう?

部屋を用意するから泊まっていくと良い」

 

左近「(何かこう、人間らしい温かい言葉って久し振りに聞いた気がする)ありがとうございます」

 

三成「いや、兼続。お前の申し出はありがたいが、我らはこれから帰るとする」

 

左近「ええっ?!」

 

兼続「しかし三成。今夜から明け方にかけて大雪警報が出ている。外へ出るのは自殺行為だ」

 

三成「止めてくれるな兼続。お前の優しさや好意に甘えて、慣れてしまう俺が怖いのだよ…」

 

左近「誰か殿を止めてー!何か自分に酔っちゃっててまともな判断できてないよこの人!」

 

兼続「――そうか、それがお前の答か、三成。ならばもう止めはしない」

 

左近「いや止めろよアンタも!…殿、左近はここに一泊して明日の朝帰りますからね」

 

三成「何を言っているのだ?俺が帰るのに、何故貴様がここに残るのだ」

 

左近「嘘でしょう…?殿、それはあれですよね、ドッキリですよね?…

嘘だと言ってください殿ぉおおお!」

 

 

(ゴッ…!)

 

 

三成「ではさらばだ、兼続」

 

兼続「ああ、達者でな、三成」

 

 

 

こうして三成(と左近)は越後を発ち、近江は佐和山へと帰りました。(完)